ウサギの乳腺疾患
写真1 内股にできた巨大な腫瘍。手術で
摘出後に病理検査で乳腺癌と診断されました。
乳腺の疾患には偽妊娠などにともなう乳腺の腫脹など良性のものもありますが、乳腺癌など悪性のもの(写真1)もあります。
このため、腹部にしこりや腫脹がみられた場合にはすぐに動物病院を受診してください。
また、乳腺の疾患は子宮疾患と関連してみられることが多く、避妊していない雌ウサギで乳腺に異常がみられる場合には子宮の検査も同時に行い、問題がないか確認することが大切です。
症状
写真2 乳腺が腫れていて、軽く圧迫すると
乳頭から黄色い液体が漏れてきました。
乳腺の疾患は乳腺の腫れやしこり、乳頭からの乳汁や液体、膿の分泌などの症状(写真2)がみられます。
乳腺の疾患は子宮疾患に関連していることが多く乳腺の症状とともに血尿や腹部の腫れなどがみられることもあります。このため、子宮疾患の症状がないかどうかも確認することが大切です。
また、乳腺のしこりや腫脹がみられる場合にはそれらの大きさや数、見た目に変化がないかどうかを時々観察し何か変化がみられる場合にはすぐに動物病院を受診してください。
治療、予防
良性のもので乳汁や分泌物が溜まっているだけであれば、それを押し出して腫れが治まる場合もあります。悪性の場合は手術で取り除くことが治療法になります。
しかし、良性か悪性かは手術で取り除いて病理の検査で専門家に判断してもらわないとわからないことが多いです。
また、乳腺に問題がある場合には卵巣や子宮にも問題があることが多く、避妊手術も同時に行うことで、疾患の再発や関連して起こる子宮疾患の予防につながると考えられます。